目次
- はじめに
- テクニカルディレクターとは
- テクニカルディレクターの主な業務内容
- テクニカルディレクターに必要なスキル
- フロントエンドエンジニアのキャリアパスとしておすすめな理由
- まとめ
はじめに
現在、世界中の企業や組織がデジタル化および技術革新に取り組んでおり、ソフトウェア開発、デジタルマーケティング、情報セキュリティなど、さまざまな分野でテクノロジーが必要不可欠になっています。
そのような背景の中で、技術的な側面や要素に関する戦略的な方向性を決定し実行する責任を持つテクニカルディレクターの需要が高まっています。
この記事では、主に広告・マーケティング業界におけるテクニカルディレクターの仕事内容や必要なスキルとともに、フロントエンドエンジニアからのキャリアパスとしての魅力についてご紹介します。
テクニカルディレクターとは
テクニカルディレクター(Technical Director)は、業界によって役割にわずかな違いがあるものの、共通して技術的な側面や要素に関する戦略的な方向性を決定し、実行する役職またはポジションを指します。
テクニカルディレクターは直接コードを書くことは少なく、プロジェクトメンバーと協力しながらシステムの概念を具現化します。
テクニカルディレクターの主な業務内容
アーキテクチャ設計
クライアントが求める要件をシステム的に実現するため、フロントエンドからインフラストラクチャ、セキュリティまで幅広い領域にわたってシステムの設計を行います。この過程ではシステム構成図を作成する作業なども行います。
クライアント対応
アーキテクチャ設計を行うためのヒアリングや、アーキテクチャのメリデメ、注意事項など、専門的な内容を非エンジニアであるお客さんに対して資料を作成するなどして分かりやすく説明します。
プロジェクトリード
システム的な観点はもちろんのこと、クライアントの利益とプロジェクト全体の利益のバランスを考慮しながら、エンジニアだけでなく他職種も含めてリードしプロジェクトを進行します。
テクニカルディレクターに必要なスキル
領域に囚われない幅広いエンジニアスキルと知識
クライアントが実現したいと思っていることをコストや時間などを考慮し最善のアーキテクチャを構想し実装する必要があるため、フロントエンドなど特定のエンジニア領域に縛られないスキルや知識、またエンジニア領域外のマーケティングやUIUXなどの周辺知識も求められます。
クライアントやチームメンバーとの円滑なコミュニケーション能力
クライアントの要望を引き出すためのコミュニケーション能力はもちろんのこと、プロジェクトメンバーも含めた非エンジニアにとっては理解が難しい専門的なシステム関連の情報を分かりやすく伝える能力が必要です。
チームを動かすディレクション能力
クライアントへの説明の段取りの整理やアーキテクチャの実装のリードなど、プロジェクトに関わるエンジニア以外も含めたメンバーに指示を出しながら、チームメンバーを巻き込んでプロジェクトをすすめていくディレクション能力が必要です。
フロントエンドエンジニアのキャリアパスとしておすすめな理由
テクニカルディレクターの需要が高い
前述の通り、世界中の企業や組織がデジタル化および技術革新に取り組んでいるなかでテクノロジーは必要不可欠になっています。非エンジニアの要望をシステム的に翻訳できるテクニカルディレクターの需要は非常に高いため、フロントエンドエンジニアの次のキャリアの選択肢の1つとしておすすめできると思います。
技術が理解できていることが強みになる
一般的なSierやシステムコンサルタントは研修を受けることはあっても実務経験がほとんどない場合が多いのではないでしょうか。それに対して、実務経験が豊富なエンジニアがテクニカルディレクターにキャリアチェンジすれば、ソースコードレベルでの高い解像度を持ち、より現実的なアーキテクチャを設計できる可能性が高まります。そのため、エンジニアのキャリアパスとしてテクニカルディレクターはおすすめできると思います。
制作単価の下落
AIの発達やローコードノーコードの普及、技術のコモディティ化によって単純な制作単価は下がっており、長期的な目線でエンジニアとして単価を上げていくためには市場でも特出するようなスペシャリストになる必要があると思います。「このまま技術を突き詰めていく自信はないけれども、どちらかと言うとコミュニケーション能力に自信がある」と言う方には、システムの知識とコミュニケーション能力の両方がバランスよく求められるテクニカルディレクターはおすすめできると思います。
まとめ
- テクニカルディレクター(Technical Director)は、技術的な側面や要素に関する戦略的な方向性を決定し、実行する責任を持つ役職またはポジション。
- 世界中の企業や組織がデジタル化および技術革新に取り組んでいるなかでテクニカルディレクターの需要は高まっている。
- テクニカルディレクターの仕事内容は、アーキテクチャ設計、クライアント対応、プロジェクトリード。
- テクニカルディレクターには、領域に囚われない幅広いエンジニアスキルと知識や、クライアントやチームメンバーとの円滑なコミュニケーション能力、チームを動かすディレクション能力。
- 制作単価の下落している中で、テクニカルディレクターの需要は高く、技術が理解できていることが強みになるため、フロントエンドエンジニアの次のキャリアの選択肢の1つとしておすすめ。
このブログでは主に広告・マーケティング業界におけるテクニカルディレクターの解説を行いました。テクニカルディレクターがどのような職種なのか分かっていただけましたら幸いです。