Talk Event Report Vol.7
2023.05.24

読まれる技術ブログとは 〜にしはらさんから見たICS MEDIAネタ選びと続け方のポイント〜

ICSメディアのにしはらさんをお招きして、読まれる技術ブログとは何か、そして、にしはらさんから見たICS MEDIAのネタ選びと続け方のポイントについてお話ししていただきました!

トピック

  • はじめに
  • ICSメディアにおいて1つの記事ができるまで
  • 「長期的に価値のある記事」を生み出すために
  • にしはらさんが記事を書くときに大切にしていること
  • 記事を書くことのメリット
  • にしはらさんの記事の作り方
  • さいごに

はじめに

今回はICSメディアのにしはらさんをお招きして、技術記事や技術ブログを書く際のポイントや、続けるのコツ、ネタ選びの方法などについてお話を伺いました!

ICSメディアは、株式会社ICSが運営しているオウンドメディアであり、あらゆるwebに関する記事を発信している記事サイトです!HTML、CSSから3D技術、XDやFigmaなど様々なテーマを取り上げています。

個人的には、どの記事も読みやすいのがICSメディアさんの特徴なのではないかと思います。
初心者の私でも、「テーマは難しいけどなんとなく仕組みは理解ができる」ということが多く、本当にありがたい記事ばかりです。

運営メンバーの先輩方は、ICSメディアの特徴として、デモや比較がわかりやすいということを挙げており、ICSメディアは初心者にとっても玄人さんにとっても有益な記事が揃っているサイトであることがわかりました!

ICSメディアにおいて一つの記事ができるまで

ICSメディアの社員さんの数は大体10名ほどだそうで、それぞれがそれぞれの興味のある分野について記事を作成しているそうです。

記事を書く時間は業務時間内に含まれているそうで、それがICSメディアさんが質の良い記事を生み出す理由の一つになっているように感じました。

ただ、ネタ選びから執筆、デモの作成まで、一つの記事を作成するには数十時間を要するそうで、いくら記事を書く時間が業務時間内に含まれているとはいえ、記事を完成させるのは相当な体力が必要とされる作業ですよね!

作成された記事は社員さん全員でチェックをしており、チェック表をもとに「内容に誤りはないか」「齟齬が生まれる恐れがある表現はないか」など、お互いの記事をチェックし合っているとのことです。

ICSメディアにおいては、そうした自主的なフィードバックが「文化」として確立しているそうです。

全員が主体的に互いを高め合いながら、全員でICSメディアを作り上げていくという姿勢がとてもかっこいいです!

「長期的に価値のある記事」を生み出すために

私たちが技術記事のネタ選びをする際、どうしても旬な技術や情報を取り上げたくなってしまうと思います。

もちろん旬も大切ですが、ICSメディアさんではそれよりも「長期的な価値」を生み出すことに重きを置いて記事を作成しているそうで、「長期的な価値」を生み出すために、何年も前の記事でも技術のアップデートに合わせて、記事も更新・メンテナンスしているそうです!すごいです!

とりあえず技術記事を書かなきゃという一時的な気持ちではなく、これから何年にもわたって価値を与え続けていく土台になるものなんだという気持ちで記事を書くことは、記事を書く際のモチベーションや気合いにも大きく影響してくるように思えます。

にしはらさんが記事を書くときに大切にしていること

そんなICSメディアの一員であるにしはらさんが記事を書く時に大切にしていることは、「信頼性」です。
発信していく上で、誤ったものを書かないこと、内容に齟齬がないことを一番に意識しているそうです。

また、他の人がチェックした時にわかりにくい文章になっていないか、抜け落ちている前提知識はないかを確認することも重要だということでした!

さらには目を引くタイトルの書き方を意識したり、国語的な文法の側面(主語ははっきりしているか、曖昧にかかっている修飾語はないかなど)視覚的な側面(記事の最初の方にはイメージやデモを多く入れる)からも読み手を意識した記事作りを心がけているそうです。

他にも、最近はタイトルの土台作りにChat GPTも活用しているんだとか!

とことん読者のことを考えながら記事を書くからこそ、誰が読んでもわかりやすい記事が出来上がるんですね!

記事を書くことのメリット

さらににしはらさんから技術記事を書くことによる2つのメリットも教えていただきました。

まずは、書いた自分の勉強になることです。技術記事を書くということは、その技術について客観的にわかっていないと書けないため、いつも書いていたコードを言語化して説明していくことで、自分の中でより深く技術を理解することができるようになるといいます。

次に、発信したことによる情報の共有です。にしはらさん曰く、情報の共有が発展して書いた記事からお仕事につながることもあるそうです。記事やブログを書くことで、自分にとっても会社にとっても良いサイクルがうまれる可能性があるのです!

にしはらさんの記事の作り方

にしはらさんが実際に記事を作る際の工程についても伺いました。

記事を作る際、にしはらさんが1番最初に手をつけるのは、デモを作る作業だそうです!

デモを作るに際して、主題を説明するためのいくつかの手法を考え、それに合わせたそれぞれのデモを完成させることができれば、大体の記事の枠組みの出来上がりです。

デモに関してにしはらさんは、「主題に対応するデモができるか」というところが記事作りのポイントであると仰っていました。
確かに私も技術記事を読む時は、デモがあるかないかで記事の取捨選択をしますし、デモが良い記事は信頼できますよね。

また記事を作る際のコツとしては、「伝えたい事柄を分解してみる」ことだと教えてくださいました。そうすることでより本質的な題材を見つけることができたり、よりわかりやすい記事を書くことができるとのことです!

さらに先述で、わかりやすい記事を書くためには国語の文法にも気をつけながら書くことが大切だと言いましたが、にしはらさんは記事を書くときにVSCodeの拡張機能である「テキスト校正くん」を使って文法をチェックしているそうです!ぜひ皆さんも記事を書くときは使ってみてください!私も使ってみます!

さいごに

今回にしはらさんのお話を聞きながら感じたのは、にしはらさんの思考プロセスの深さです。

とことん読み手のことを考え、信頼性の高い記事を作り上げる。にしはらさんは当たり前のようにやっていることなのかもしれませんが、お話を聞きながらいい記事を書くことはやはりなかなか難しく、労力のいる作業だということを改めて実感しました。

ただ、伝えたいことを分解することで、より本質的な題材を見つけることができたり、わずかな文法の違いで相手に伝わりやすい文章ができるというのは、記事を書くという時だけでなく、普段の生活や仕事においてのコミュニケーションにも当てはまることだと思いました。

なので、普段から伝えたいことを分解してその本質は何かを明確にしたり、人に何かを伝えるときは文法に気をつけてみるということが、「質の良い記事をかける人」になる土台になるのではないかと思いました!

にしはらさん、この度は貴重なお時間を割いて、トークイベントを引き受けてくださり本当にありがとうございました!
お忙しいなか、試聴してくださった皆さんも本当にありがとうございました!

今のところ、次回のトークイベントは6月21日(水)21時〜を予定しております!
テーマは確定次第discordまたはtwitterにてお伝えします!

時間がよろしければぜひまた次回も遊びに来てください〜!
ではまた!


参考サイト

ICS:https://ics-web.jp/

ICSメディア:https://ics.media/

にしはらさんの最新記事「頑張らない3D表現!WebGLを使わずにウェブサイトで3Dを実現するCSSテクニック」:https://ics.media/entry/230519/ (デモがめちゃくちゃすごいです!!)

レポートの執筆者

mai
workFrontend Engineer 見習い
新卒。フロントエンドエンジニア。毎日フォー食べたいのになかなか食べれない日々。

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